ビールを飲むと「太りやすい」というのは本当?

ビールは、他のアルコール類に比べて特別カロリーが高いということはありません。

むしろ、ビールのカロリーは、他のアルコール類と比較しても低めというのが実際のところのようです。

にもかかわらず、ビールを飲むと「ビール腹」になって太りやすくなるといわれるのはどうしてなのでしょう。

ビールのカロリー

ビールと他のアルコール類のカロリーを比較するとは、以下のとおりになるといわれます。

ビール中ジョッキ(500ml): 約210kcal
焼酎1合(180ml): 約260kcal〖500ml換算 → 約722kcal
日本酒1合(180ml): 約190kcal〖500ml換算 → 約527kcal
ワイン1杯(100ml): 約75kcal〖500ml換算 → 約375kcal
ウイスキー シングル(60ml): 約130kcal〖500ml換算 → 約1,080kcal

同量で比較すると、ビール自体のカロリーは他のアルコール類に比べると低いということがわかります。

アルコール類のカロリーは、基本的にはアルコール度数が高いものほどカロリーも高くなるといわれていて、アルコール度数が低いビールは、カロリーも低くなっています。

ビールの飲酒量

アルコール度数が低くてカロリーも低めのビールなのに、ビールを飲むと太りやすいというのには、「飲酒量」が関係しているといわれます。

アルコール度数の高いアルコールは、少しずつゆっくりと飲むことが多いですが、アルコール度数が低いビールは、ドンドンと飲んでしまうことが多いようです。

他の食品と比べると、アルコールのカロリーは決して低いということはありません。

アルコール類の中ではカロリーが低めのビールも、たくさんの量を飲んでしまえば、相当高いカロリーを摂取することになってしまいます。

中ジョッキ1杯のビールのカロリーは、茶碗一杯のご飯のカロリーに匹敵するともいわれます。

中ジョッキ3杯のビールを飲めば、ご飯を3杯お代わりしたのと同じだけのカロリーを摂ったことになるというわけです。

カロリーにすると、約630kcal。

ビールのおつまみ

ビールを飲むときには「おつまみ」が欲しくなります。

唐揚げやフライドポテトなどの脂分の多い食べ物は、ビールととても相性がいいです。

ビールに含まれている炭酸ガスや苦味成分には、食欲を増進する効果があるといわれていて、ビールを飲むと、いつも以上に食欲が湧いてくるということも少なくないようです。

ビールを飲むと太りやすいというのは、ビールそのもののカロリーに加えて、いっしょに食べるおつまみ類のカロリーが高いことも大きな原因の一つになっているといわれます。

1杯の中ジョッキのビールを飲みながら、焼肉のハラミ1人前とフライドチキン1人前を食べるだけで、1,000kcalを超えてしまうともいわれます。

ビールのカロリーの特徴

ビールに限らず、アルコール類のカロリーは「エンプティカロリー」と呼ばれています。

「エンプティ(empty)」とは「空っぽ」という意味です。

「エンプティカロリー」というと「カロリーがない」と思ってしまうかもしれませんが、「エンプティカロリー」とは「カロリーの他にはほとんど栄養が含まれていない」という意味だといわれます。

「栄養」が空っぽということで、「カロリー」はしっかりと含まれているというわけです。

カロリーの他にはほとんど栄養が含まれていないので、エンプティカロリーのビールを飲んでも、それだけで太るということはないとされています。

「アルコール類で摂取したカロリーは、優先的に消費されていく」といわれていて、このことがアルコールを飲むと太りやすくなる遠因になっているといわれます。

アルコールを飲むと体が火照った感じになるのは、アルコールのカロリーが優先的に消費されて、体温上昇などに使われるからだとされています。

本来消費されるはずのカロリーが消費されない

ビールのカロリーが優先的に消費されるのなら、ビールを飲んでも太らないとも思ってしまいますが、「優先的に消費される=太らない」というわけではありません。

アルコールのカロリーが優先的に消費されることで、「本来消費されるはずのカロリー」が消費されなくなるからです。

人は、何もしなくても内臓を動かしたり体温を維持したりする基礎代謝として、1日に1,500kcal前後を消費しているといわれています。

本来なら、この基礎代謝に必要なカロリーには、体内の脂肪などがエネルギー源として使われますが、ビールなどのアルコール類を摂取することにより、脂肪などのエネルギーが使われずに、アルコールのカロリーが優先的に消費されてしまいます。

その結果「本来使われるはずだった脂肪が消費されず、体脂肪として蓄えられていく」というわけです。

ビールを飲んでも、ビール自体のカロリーで直接太るというわけではありませんが、体脂肪が蓄えられやすい状態になるために、結果的に太りやすくなってしまうということのようです。

まとめ

ビールを飲んで太るのには、大きく3つの要因がありそうです。

・ビール自体の飲み過ぎ
・高カロリーのおつまみ
・ビールのカロリーが優先して消費され、脂質や糖質が分解されない

少量のビールを嗜む程度なら、そのことで太ることはなさそうですが、毎日それなりの量を飲んでいる場合には、飲酒量やおつまみの種類などによっては、太りやすい状態になっているかもしれません。

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